大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)3486号 判決

専売監視への裁判官の本件臨検捜索差押許可状には、対象を「東京都品川区五反田二の三六八レオニド・バルミン経営の旅館及附属建物内」と記載してあるが、この場所には被告人の居宅があるだけで、被告人の経営する旅館は、これとは地名及び番地を異にする隔たつた所にあり、本件の臨検、捜索、差押は、右許可状に記載された場所にある被告人の居宅で行われたことは、所論のとおりである。しかし、右許可状を検すれば、これには、右のように「旅館及び附属建物」なる文字が顕れているとは言え、これは、これに記載された場所とは地名、番地を異にする隔たつた場所にある被告人経営の旅館を対象としたものとは到底解されないのであつて、これに記載された場所にある被告人管理の建物即ち当時の居宅を対象としたものであることが明らかである。従つて、該許可状に基く専売監視の本件臨検、捜索、差押は適法であつて、本件捜査手続には所論のような違法はなく、もとよりこれをもつて本件訴訟手続を違法視することはできない、論旨は、独自の見解であつて、理由がない。

同第二、三点について。

原判示事実は、原判決援用の証拠を総合してこれを明認することができる。該証拠によれば、被告人が正当の事由がないのにその居宅において日本専売公社の売り渡さない本件外国製たばこを所持していたものであつて、該製造たばこは、被告人の使用人がこれを被告人方に置いたものでもなく、またアメリカ兵から預けられたものでもなく、被告人が他から譲受けてこれを自宅に所持していたものであることが明らかである。論旨に援用する証人河野照三及び同ミサオ・バルミンの各供述部分は、原審に顕れたその余の証拠と比照して到底措信し得ないものである。

たばこ専売法第六十六条に規定された「所持」の意義については、これをことさら所論のように制限して解釈する必要はないものであつて、自己のために所持する場合のみならず、他から寄託された場合のように他人のために所持する場合をも包含するものと解すべきものであるが、被告人が本件製造たばこを所論のように他から預けられたものではなく、他から譲り受けて所持していたものであることは上敍のとおりであるから、被告人の所為が該法規に違反することは、もとより言うまでもないところである。原判決には、所論のような事実の誤認又は法令適用の誤は存しない。

論旨はいずれも理由がない。

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